売場の“総合力”で
お客様の楽しみをつくる
―店舗のスタッフとして、接客において大事に思っていることは?
福重 : ロフトの接客方針として「ロフトのファンづくり」という言葉がありますが、お客様にリピーターになっていただく、ということは意識しています。そのためには、店舗でのお買い物を通して、たとえ購入につながらなかったとしても楽しんで帰っていただくということが一番だと考えています。ただし、何を楽しむのかはお客様次第。さまざまなお客様に対応するために、商品の陳列から品揃え、気持ちの良い接客まで、いろいろな要素を総合して、工夫を欠かさないということが大事です。
齋藤 : 店舗でのお買い物を楽しむ、という点においては、新しい商品があったり人気の商品があったりと、いつ来ても新鮮な発見があり、コンスタントに来ていただけるような売場づくりを大事にしています。もちろん、商品だけでなく、その時に気持ちのいい挨拶があるなどプラスアルファの要素があれば、他店舗じゃなくてロフトに行ってみようかなと思ってくださるきっかけになるかなと。
福重 : ロフトはセルフセレクションを推進しているので、お客様に対して過剰なお声がけはしていません。でも、何かお探しのときや困ったときなど、話しかけやすいところに店員がいたり、いつも気を配っている状態になるように、売場を巡回する時間を設けています。こちらからアプローチをするのではなく、お客様の方からコミュニケーションを取りたいと思った時に、ウェルカムな気持ちできちんとそこにいる、というイメージでしょうか。
齋藤 : 積極的なアプローチはしなくても、何かお探しのご様子であれば、お声がけしてサポートします。最近のお客様、とくに若い方は、事前にSNSなどで情報を調べてから店舗を訪れる方も増えています。ですから、話題の商品や新商品に関してはきちんと情報を把握し、売場へすぐにお客様をご案内できるように気をつけています。
―お客様とのやりとりでうれしかったこと、印象に残っていることは?
齋藤 : つくばロフトで文具を担当していたころ、よく筆記具売場で商品整理をしていました。ある日、お客様から「このお店はいつもきれいで、とても買い物がしやすいわ」というお声をいただき、とても嬉しかったです。何度もご来店されていた常連の方で、商品整理をしているところをご覧になっていたのか、わざわざ私のところまで言いにきてくださって。他のスタッフにも「お客様が齋藤さんのことを褒めていたよ」と言ってもらうことがあり、やっていて良かったと思いました。
福重 : 私の場合、自分自身のエピソードではありませんが、「接客ってこうあるべきなんだろうな」と深く印象に残っているのは、以前一緒に働いていた先輩の接客技術です。とにかく自然体でナチュラルに接していて、ときにはお客様に手を振ったり、フランクに接することも。接客業の基本ルールとしてはNGかもしれませんが、お客様を喜ばせるほどの関係性を築いていました。「いい接客とは何か」ってとても難しくて、そもそも正解はひとつではないでしょう。私の中でも確固たる答えは出ていませんが、先輩の自然な接客は、間違いなく“いい接客”のひとつの形として、印象に残っています。