LOFT

売場づくり

BUSINESS

売場づくり

自由を楽しむ、自由を苦労する、
そんな人たちが集まって売場をつくる

Mission

新しい試みは
現場で1から構築する

旗艦店である銀座ロフト。2019年のリニューアルにともない、新たな試みをいくつも提案した。そのひとつが、これまでロフトではあまり扱いのなかった“食”の売場づくり。食品専門バイヤーもいない中、そのミッションの遂行は現場にまかせられた。誰もが手探り状態でありながら、ロフトらしさを実現する、自由な発想で構築された売場づくり。現場のマネジャー代行と新規MD開発担当スタッフに話を聞いた。

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    原村 奈実

    銀座ロフト 文具雑貨 マネジャー

    2013年新卒入社。横浜ロフトで文具を3年、町田ロフトで文具を2年担当。その後銀座ロフトへ。取材時、カフェ&フードを担当。

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    小野 佳幸

    銀座ロフト 新規MD開発担当スタッフ

    2016年新卒入社。2019年2月まで京都ロフトにて勤務(出身は京都)。生活雑貨を担当。その後、銀座ロフトへ。現在は新規MD開発担当スタッフ。売場マネジャー、スタッフと連動しながら銀座ロフト独自の新しい企画、新しい商品の仕入れに取り組んでいる。

未開の領域、“食”の事業、
だからこそ生まれた自由な発想

-ロフトとして初めての試みとなった“食”の売場づくり。大変でしたか?

小野 : 銀座ロフトは旗艦店として、新しい商品などを発信していく役割があります。特に銀座ならではの尖った商品セレクトや土地柄のオリジナル部分を出せる商品を探して提案しています。通常、商品提案はバイヤー領域なのですが、食品については私も商品探しから担当しています。

原村 : “食”の売場づくりは初めての試みということもあり、食品専門バイヤーがいなかったので、企画ごとにみんなで力を合わせて商品を探していました。

ロフトの売場の特徴「モノを売るのではなく、コトを提案する」、
“食”の領域ではどのようなことを意識しましたか?

原村 : モノだけを並べて売るというよりも、欲しいな、買いたいなと思うような商品を売りたいと意識しました。それは例えば、お茶碗だけを並べて売るのではなく、家庭でご飯を食べる様子が目に浮かぶような売場づくりを意識するということ。お茶碗が欲しいお客様の近くに、オーガニックのお米やお箸があればセットで買いたくなりますよね。そんな売場を目指すことがロフトらしさかなと思います。

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地道で基本的な業務の先に
新しいアイデアとやりがいがある。

-見栄えだけのディスプレイではないということ?

原村 : はい。見栄えよりもまず、テーマを決めてから商品を選び、売場をつくる。

小野 : 食品を選ぶときに意識したのが、他の食料品店に普通に売っているものはなるべく選ばないということ。例えばワンカップのお酒。以前、「トラフグのヒレ酒」を入れてみました。ワンカップにヒレが入っていて、レンジで温めるだけでヒレ酒になるというもの。そういう普通の商品+αを意識して商品を選んでいます。

1+1=3にする、
発想を縦にも横にも広げる。

-手掛けられた企画で印象に残っているものを教えてください。手応えがあったものとか。

原村 : 2021年のバレンタインの売場は可愛くできたと思っています。本部から家で楽しむ、つくって楽しむようなテーマをという指示がきました。プレゼントするよりも自分で作って食べるバレンタインをと提案され、銀座店の4階の家電フロアと6階のバラエティとフーズをまとめたポップアップ企画を作りました。可愛く、みんなを引き込めるような売場になったと思います。チョコだけを買いにきたお客様が家電も欲しくなったり、自分が食べるだけでなく、これだったら他の人にもあげたいなと思えるような売場になったのではないかと思います。

小野 : 私は2020年6月に実施したスナック選手権ですね。世界中のスナック菓子と、ドリンクを集めた企画です。内容は「昼スナック:仕事の合間に食べる小さめの袋のスナック+ノンアルコール」と「夜スナック:コッテリ味のスナック+ビールワイン」。緊急事態宣言開けの時期でもあったので、リモートしている人が多かったようです。売場もアメリカ風の買い物かごに、スナックをたくさん詰めてデコレーションにしたり、他部署と連携してみんなで楽しめた企画でもありました。単価が安いので、売上は厳しいところもありましたが、多くのお客様にはご来店いただけました。

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-そんな企画はどのように生まれているのでしょう?

原村 : 例えば小野くんがおもしろい商品を見つけてきたら、これをメインに企画を考えよう!というときもあれば、企画が先行して商品を売場のみんなで探す場合もあります。

-売場づくりのおもしろさとは?

原村 : 銀座店の“食”のフロアは少し特殊かもしれません。企画から全部自分たちで考えなければならない。商品を自分たちで探すことも大変ですが、そういう1からやれることがやりがいにつながっています。みんなで話し合い、コミュニケーションを密に取りながらやるところも面白いですね。

小野 : 自由にできるところ。自分たちでやらないといけない大変さもありますが、自分たちで考えたものを100%形にできる楽しさ=やりがいだと思います。大変なところは、“食”の売場ならではですが、食品表示。道の駅や展示会などで見つけてきた食品は、成分表示やアレルギー表示が正しいかなども自分たちでチェックしないといけません。でもいい勉強になった。私生活でもチェックするようになりましたね。

原村 : 賞味期限管理も大変。今までやったことがなかったから。管理方法は本部の品質管理部に相談して進めていきました。毎日手作業で賞味期限を確認して、月1回は漏れがないか全商品の最終確認をしています。完全にマンパワーです。

-そんな苦労もありながら、一方で今まで一番嬉しかったことはなんでしょう?

原村 : たくさん売れたとき(笑)

小野 : そうですよね!何が一番だったか覚えていますか?

原村 : 2020年に銀座ロフトで売れた商品(生活雑貨)をランキングにした企画がありました。一番売れたのが、1階で売っていた商品でした。それが「食べる鰹節」。ネットでも人気の商品でした。他の階の商品も含めて1位だった。単価は安かったのですが、1位を取れたということで本当に嬉しかった。

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縦にも横に割れていない、
全も個も柔軟である社風。

-最後に、ロフトで働く中で思う、ロフトのいいところってなんでしょうか?

原村 : 私のチームでは、メンバーそれぞれの担当商品が違うのですが、ポップアップなどの企画ものになるとみんなが集まって、担当でない商品についても意見を出し合い、いい企画にしよう!となるところ。人任せにしない風潮がチーム内にあります。担当外であっても意見を出しやすく、さらに受け入れてくれる。信頼関係があるからこそ、他の人の意見を取り入れようとする、それが結果、売場をよくしています。

小野 : ロフトの中でも様々な領域があるので、取引先が領域ごとに違います。そんな人たちが情報を共有しあっていて、全然違う領域からも情報をもらったりできます。例えば、傘を取り扱う会社が新しく食品を取り扱い始めたとき、その担当者から面白い食品があるよと情報をもらう。自分では見つけられないような食品を、いろんな方向に走っている人たちが教えてくれます。ロフト内での情報共有は速く、壁がありません。

-MD開発含めて、どんな人がロフトに向いていますか?

小野 : いい意味で雑な人!私たちはいい意味で浅く広くみたいなところがあります。専門家ではないにしろ、担当した領域にすぐに興味を持ている人。一年で担当が変わってもすぐに担当となった領域に興味を持てる人。

原村 : いい意味で、適当な人!いい意味で無理しないで、好きにやれることが大切。自由にやれている分、急に変化を求められることもあります。例えば、企画が決まっても、その企画がなしになって、新しい企画が始まったりする。それを受け入れられる人が強いかも。考えすぎずに楽しむことが一番です!

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