LOFT

アートデザイン

BUSINESS

アート&デザイン

アート&デザインが担う
これからのロフト
MoMA Design Storeの取り組み

Mission

ロフトの未来を創造していくために

「アート&デザイン」領域は、近年ロフトが推進している事業分野。それを担っているのが事業開発本部 MoMA事業部である。2016年、ニューヨーク近代美術館とリテール事業のライセンス契約を締結したことでスタートしたMoMA Design Store店舗展開など、従来のロフトの取り扱い雑貨領域にとらわれないさまざまな取り組みを行う。最先端のアート&デザインが集まるMoMAの視点を通して、ロフトの可能性をさらに発展させていく。

  • 伊地知 俊介

    伊地知 俊介

    MoMA事業部 部長

    2004年のMoMAの日本進出時から事業に関わり、2016年にロフト入社。MoMA事業部の事業部長として直営店、ショップインショップ、KIOSK、MoMAオンラインストアなどの事業全般を統括する。

  • 川上 千春

    川上 千春

    MoMA Design Store表参道 店長

    前職からMoMA事業に携わり、2016年にロフト入社。表参道店を経て、2017年の 「MoMA Design Store京都」、2019年の「 MoMA Design Store 心斎橋」の立ち上げに関わる。2021年9月より現職。

  • 波多間 誠

    波多間 誠

    MoMA Design Store表参道 マネジャー

    2015年新卒入社。梅田ロフトにて家庭用品を担当したのち、2016年9月より池袋ロフトのショップインショップでチーフ、2019年9月よりMoMA事業部所属となり、「MoMA Design Store 心斎橋」で店長を経験したのち、2023年4月より現職。

MoMA事業の取り組み

旗艦店「MoMA Design Store 表参道」、「MoMA Design Store 京都」、「MoMA Design Store 心斎橋」の直営3店舗、および公式オンラインストアの運営、全国各地のロフト店内でショップインショップを6店舗、計9店舗を展開中。KIOSKと呼ばれる専用什器でのコーナー展開や、MoMAオリジナル開発商品の卸売事業の展開、アーティストとのコラボレーションをはじめとする商品開発など、幅広い事業を展開している。

ロフトブランドのさらなる
イメージアップを図る

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-MoMA事業の事業内容について教えてください。

伊地知 : ロフトは2016年にニューヨーク近代美術館(MoMA)のリテール事業部門とライセンス契約を締結し、MoMAが選定したグッドデザイン商品や、アート作品などを日本で展開しています。我々MoMA事業部のミッションは、アートの世界の楽しさやグッドデザインプロダクトの素晴らしさを、店舗を通して人々に伝え、広げていくこと。ミュージアムショップとしての役割もありますが、幅広い商品を扱うことで、ときに敷居が高いと思われがちなアートの世界への間口を広げ、親しんでもらうことも重要なミッションです。

-ロフトがMoMA事業に関わるようになった経緯、またその理由は?

伊地知 : MoMAのリテール事業が日本に進出したのは2004年にさかのぼります。日本語版のオンラインストアを立ち上げたのが最初で、私は当時在籍していた会社でその事業に関わっていました。「MoMA Design Store表参道」は初めてのアメリカ国外店舗として2007年にオープンしました。運営母体が何度か変わる中で、2016年の契約更新のタイミングでロフトが新たなパートナーとして手を挙げました。当時のロフトは、ブランド価値をさらに高めるため、アート&デザイン領域に本格的に取り組みたいという思いを持っていました。

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-MoMA側から見たロフトと組むことのメリット、またロフトの中にMoMAがあることの意義は?

伊地知 : MoMA事業の日本でのパートナーの中で、ロフトは初めての小売を主体とする会社でした。主要都市だけでなく、これから日本全国にMoMAの店舗展開を拡大していきたいと考えていた時でしたし、商品の販路を持っていること、流通や在庫管理などのバックヤードシステムのノウハウを持っていることが魅力的だったのだと思います。実際、ロフトがライセンス契約を締結してから、表参道のみだった直営店は京都と心斎橋に2店舗増えるなど、大幅に事業を拡大しています。

川上 : いちから直営店をつくるということだけでなく、すでにあるロフトの店舗を生かして、ショップインショップという形で多店舗展開ができることも強みですよね。約100商品をセレクトして専用什器に陳列するKIOSKなども導入し、多様な展開が可能になっています。表参道にしかお店がなかった頃は、「関西にはお店はないんですか」などお問い合わせいただくことも多かったのですが、今は店舗やショップインショップが増えたことで、より多くのお客様に届けられるようになり、MoMAの知名度が広がっていると感じています。

伊地知 : ロフト側から見れば、MoMAがあることで、競合他社にはないアート&デザイン領域での商品提案が可能になったことが大きなメリットです。

川上 : それに加えて、MoMAというブランドビジネスを通して、ロフトとは違った売り場づくりや店舗運営の考え方を知れる良い機会になったかもしれません。実際長年ロフトの店舗にいて、MoMAで活躍しているスタッフも多く、彼らから学ぶこともたくさんありますし、逆もあります。

波多間 : 私と同世代の新卒社員を含め、多くのロフトからのメンバーがMoMAで活躍しているんです。ロフトとMoMA、それぞれの経験、興味、関心を活かして働けていることは、お互いにとって良い影響を与えていると思います。

確かな審美眼で選ばれた
商品の価値を伝えていく

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-MoMA Design Storeで取り扱う商品の魅力とは?

伊地知 : MoMA Design Storeの商品は、レジ前の小さな商品ひとつに至るまで、すべてニューヨークのキュレーターがアプルーブしています。MoMAのキュレーターといえば、世界最高峰の審美眼をもつデザインの権威ともいえる存在。彼らの確かな目で選ばれた商品が気軽に手に入るというところも魅力です。また、美術館にパーマネントコレクションとして所蔵されているプロダクトを販売したり、同じデザイナーが作った別のプロダクトを紹介したりすることもしています。

川上 : MoMAは長い歴史をもつ、言わばモダンアートの殿堂です。新しい商品もどんどん出てくるけれど、一方で、数十年前にデザインされ今なお世界中で愛されている商品もたくさんあります。それだけに商品一つひとつのクオリティが高く、しかもずっとそれを維持している。私がMoMAに関わるようになって10年以上たちますが、商品も店舗もずっと印象が変わっていません。“クオリティが高いまま、変わらない”価値というのが一番の強みだと思っています。

波多間 : そうですね。長く愛されている商品を扱うからこそ、お客様の中には「昔、ニューヨークのミュージアムショップで買ったものなんだけど、壊れてしまって……」と、同じものをお買い求めになる方もいらっしゃいます。最近ではコロナ禍の影響もあってなかなか現地の美術館に行けず、せめて雰囲気だけでも感じたいからと、お店にやってきてくださる方もいるんです。

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伊地知 : 日本で見つけた商品を、「ぜひMoMAで取り扱いたい」とプレゼンする機会もあります。そのときに必ず言われるのが「Why MoMA?」。その商品をMoMAが売る理由がなければ、承認されません。ただいい商品、売れ筋の商品というだけではだめなんですね。

川上 : 新しく開発される商品は、MoMAのコレクションにあるデザイナーと関わりがあったり、過去の展覧会のテーマから派生していたりと、美術館と何かしらのつながりがある場合も多いですよね。現在人気商品となっているMoMAとChampionのコラボレーションによるアパレルラインも、もともとはファッションの展覧会からスタートしたものですし。

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-その魅力を伝えるため、お店づくりで工夫していることは?

川上 : 私たちも毎回驚かされるのですが、ニューヨークで新しくセレクトされた商品のカタログを見ると、本当にワクワクするんです。そのワクワクを、なんとか売場でも再現できないかと常に思っています。

波多間 : ワクワクする売場というのは、私が学生時代に初めてニューヨークのMoMAを訪れた際にも感じたことです。ミュージアムショップで著名なデザイナーがデザインした高価な商品はもちろんですが、誰でも気軽に入れて、手に取れるデザイングッズがたくさん紹介されていることにとても感動しました。日本での売場づくりにおいても、現地で味わった感動に近いものを味わえるようにしたいです。

川上 : それから、商品の一つひとつにたくさんの「語れること」があるから、美術館で作品のそばにあるキャプションのように、必ず説明書きをつけるようにしています。変わった商品も多いので、ぱっと見てわかるように使い方の写真を見せたりすることも。それでいて、雑多に見えないように、できるだけシンプルに品よく並べるということも意識しています。

波多間 : どのようにディスプレイすればMoMAらしいか、ということはいつも考えていますよね。また、ディスプレイした商品の魅力を伝えるためには、お客様にしっかりと説明ができるよう、商品知識を身につけておくことも非常に重要です。いつ訪れても新しい発見のあるお店づくりをしたいと心がけています。

川上 : 表参道の店舗には国籍や年齢、性別などに関係なくさまざまな方がいらっしゃるので、いつ誰が見ても、等しく商品の魅力が伝わるような工夫もしています。

店舗の拡大も視野に、
アート&デザインを通して
現代社会の最先端を発信

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-MoMA事業に関わることでやりがいを感じるのはどんなときですか。

波多間 : アートやデザインが好きで、MoMAを愛するスタッフが多く、そのメンバーたちとMoMAの世界観を伝えるため、商品選定、売場づくり、接客、全てにおいて切磋琢磨し協力し合えることです。また、以前MoMAに行ったことがある、というお客様にも多くご来店頂くことがあり、お客様と美術館での思い出などを話し合えることは大きな喜びです。歴史あるMoMAが持つ価値観や理念を理解し、お客様に伝えていくことは大変さもありますが、MoMAにしかない商品を通して、お客様とその価値を共有できることにはやりがいを感じます。

川上 : 店舗には毎月たくさんの商品が入荷し、さまざまな企画が立ち上がります。設営が大変なときもありますが、高いクオリティを目指して常に最高の売場を保てるよう、絶対に妥協しない、と決めています。そうして作り上げた売場で、「この店楽しい!」や「また来たい」「ここなら良いものがあるはず」といったお客様の声を聞くたびに心の中でガッツポーズをします(笑)。また、ニューヨークMoMAのスタッフとコミュニケーションを取れる機会もあり、自分の仕事がニューヨークと少なからず繋がっていると実感できる喜びは大きいです。

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-今後のMoMA事業部の展望について教えてください。

波多間 : これまでと同様に、商品や店舗での体験を通じ、多くの方にMoMAに興味を持っていただくことと、アートやデザインがより多くの人にとって身近なものに感じられるきっかけを作っていきたいです。

川上 : ハイクオリティなMoMAの価値をこれからも守っていくために、商品のデザインや機能といった側面だけでなく、その奥にあるストーリーや信念のようなものも伝えていきたいです。MoMAはニューヨークという土地柄もあるのか、社会の変化に敏感で、いち早く商品にも反映されるんです。たとえばサステナブルやジェンダーレス。最近では白人の男性アーティストだけに偏らず、黒人の女性アーティストをフィーチャーしたりすることも。著名かどうかではなくて、今の時代を表すのにふさわしいから取り上げるのだという姿勢を感じます。

伊地知 : コロナの状況を見ながらになりますが、直営店は増やしたいと考えています。今は東京に1店舗、関西に2店舗あるので、そのほかの地域に出店していきたいですね。そして、オンラインストアにはもっと力を入れていきたいところです。コロナ禍の影響もあって家にいる時間が増えたからなのか、インテリア雑貨をネット購入される方が多くなっています。外出が制限されていたことが原因かと思いきや、コロナが落ち着いている今でも、売上は落ちていないんです。以前より身近で当たり前の存在になってきているのでしょう。MoMAならではのECサイトのあり方を考え、充実させていきたいですね。

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